| 起源 |
ヒメハギ科のイトヒメハギの根もしくは根皮。根の木質部を抽きさった根皮を「遠志肉」または「遠志筒」と称し質がいいとされる。中国の黄土地帯などにみられる多年生の小草で、根は比較的大きく地下深くのびる、通常叢生し、つぎつぎに小花を開く。初心を呼び起こし志を遠くに持つといわれる薬草で、激しい労働によるふさぎこみ、意気消沈したときにこの薬を配合した処方が用いられる。我が国ではセネガの代用として去痰薬として用いられる。セネガは北米セネガース族の用いていた民間薬で、花粉症にかかりやすい欧米人これを発見し、日本に紹介した。セネガシロップと称し、咳止めとする。花粉症にかかったり、気管支の弱い人に効果があるので需要が急増している。漢方では安神・去痰・消腫の効能があり、動悸、健忘、不眠、咳嗽、多痰、乳腺炎、腫れ物などに用いる。とくに精神を安定させたり、健忘症を改善する効能で知られている。 |
| 産地 |
中国 (河南、山西、河北省など) |
| 成分 |
サポニンが主成分で約4% (オンジサポニン)
を含有する。そのほかキサントン誘導体、糖類、樹脂、脂肪油などを含有する。 |
| 薬理作用 |
フォスフォジエステラーゼ活性阻害作用、中枢抑制作用。 |
| 応用 |
去痰、鎮静、強壮薬として咳嗽、健忘症、多夢失眠などの症状に。精神安定、ノイローゼ、神経衰弱に。
- 安神作用:神経症や欝状態による不眠・動悸・健忘などに用いる。神経質で胃腸が弱く、心配事のために不眠や動悸を訴える場合には茯苓・酸棗仁などと配合する
(帰脾湯) 。欝病、神経衰弱の治療には竜骨・牡蠣と配合する (竜骨湯) 。
- 去痰作用:鎮咳去痰薬として用いる。効力は弱いため貝母・半夏と配合する。肺結核などの慢性の呼吸器疾患で倦怠感とともに咳嗽・喀痰がみられるときに人参・五味子などと配合する
(人参養栄湯) 。
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| 処方例 |
帰脾湯、加味温胆湯など。 |
| 用法・用量 |
煎剤、散剤、丸剤。1日2〜5グラム。日本産のものは変種のヒロハセネガである。 |