●麝香(じゃこう、ジャコウ)
麝香は神農本草経の上品に収載されています。
「当門子」「臍香」の別名がある。
(起源)
シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物。
(使用部位)
麝香鹿の雄の臍と生殖器の中間にある包皮腺で、この小さい袋状の物を切り取って乾燥したものです。
(形態)
卵円形、輪円形の包皮線で大きさはキンカンから鶏卵大までいろいろです。
下面は扁平で上面は陥没し毛に覆われ中央に小孔あり、毛は密生し、放射状にはえています。
嚢膜は薄く二層ではぎとる。
中に香液があり、新鮮なときは軟膏の粘度です。
乾燥すると、大小ふぞろいの粒状です。
水に溶解するときはその4分の3は溶け、アルコールには2分の1が溶ける。
匂いは独特で遠くでかぐと、芳香性です。
(品質)
麝香鹿の生息する地方の気候、食物によって乾燥、調製の仕方によっても異なってきますがチベット、雲南地方でとれたものが最良品です。
シベリアロシアなどは鼠白色です。
麝香の品質の鑑定は職人技ですから信頼できる販売店で買うのが一番です。
(産地)
ネパール、ブータン、中国 (チベット、青海、甘粛、陝西、四川、貴州雲南など) 、モンゴル、ロシア (シベリア) 。
(成分)
芳香成分 (ムスコン1〜2%、ムスコピリジン、ムスクリド A1A2、B) その他 アンドロスタン誘導体、コレステロール、コロスタノール脂肪酸など。
(処方例)
六神丸、麝香丸、麝香湯。
麝香(じゃこう) 3.75g 税込価格 66,000円
※お問い合わせ TEL 076-231-1301/FAX 076-231-1306
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麝香は麝香鹿の雄の生殖器と臍の中間にできる御椀をふせたような袋状のものです。
麝嚢と呼ばれる部分を麝香鹿を捕獲して切りとります。
切り裂き取り出すときはその匂いは強烈で頭も痛くなり、死にそうなくらいだといわれます。
麝香鹿は鹿の一種で中国雲南地方の高山地帯に生息しており、鹿よりは随分と小ぶりです。
現在ではワシントン条約 (希少動物保護に 関する国際条約) で捕獲禁止になっています。
何故かこれを配合した製剤が一般市販されているのも不思議です。
この点を問いただすと、沢山買って在庫しているというのです。
何十年先の分まで在庫しているとはとても考えにくい話で、果たして承認された分量を配合しているのか、担当者に聞いてみたいものだと思います。
生薬はその分量が間違いなく配合されているかどうか確認できないのが一番難しい点であります。
ともかく、麝香と牛黄は高貴薬という点で漢方の双璧です。
麝香は御椀を伏せたような鶏卵大の大きさ で御椀部分は固い毛でおおわれていて、底の部分は扁平で皮でできている。
この皮の部分を十字に切り裂き中身を取り出す。
小さな粒状や、粉状の やや粘着性のある黒褐色のものです。
このままでは他の薬と配合しても ひっついてしまうので倍散にして調製する。
普通は100倍散位でしょうか。
倍散に使用する生薬はその製剤に配合されている薬で乾燥性のいいものが最適です。私は茯苓を使いました。
麝香を袋から取り出して調製する間、その匂いはそのあたりに充満し手や衣服にも染み付きます。
成分はムスコンが主成分でその他揮発性成分などが確認されています。
効能は興奮剤、強精剤、気付けに利用されています。
マスクメロンの名前もこのムスクから取って名付けられています。
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