●よくいにん (ヨク苡仁)
神農本草経の上品に収載されている。後漢書によると将軍馬援がベトナムから中国に持ち帰って繁殖したという。
| 起源 | イネ科のハトムギの種皮をを除いた成熟種子である。一年生草本で享保年間に我が国にも伝わり各地で栽培されてきた。茎の高さは1.5メートルほどで夏に葉の間から花穂を出し、秋には楕円形で淡褐色の実を結ぶ。よく似た植物にジュズダマがあるが多年草である。またハトムギの果実はやわらかいから区別がつく。産地によって粒の大きさが多少異なる。一般的にこれを「白様 (しろで) 」と称する。ときに外殻 (総苞) をつけたままのものを「ハトムギ (鳩麦) 」または「皮付きヨクイニン」称して市販する。中国では一般に「苡米」などとも称する。 |
| 産地 | 中国 (福建、河北、遼寧など) 、ベトナム、タイなど。 |
| 成分 | 脂肪油7% (パルミチン酸、ミリスチン酸、8-オクタデセン酸のグリセリド) 、蛋白質18%、 (コイシンなど) 、デンプン約52%、グルカン (コイサンABC) 、抗腫瘍性物質コイキセノリドを含有している。 |
| 薬理作用 | 呼吸作用 (少量で亢進、大量で麻痺) 、肺血管拡張作用、血糖低下作用 (コイサンABC) 。 |
| 応用 | 利尿、消炎、鎮痛、排膿薬として、浮腫、リュウマチ、神経痛、などの身体疼痛、化膿症などに応用する。また民間ではイボ取りの薬として用いる。滋養、強壮薬としても用いる。イボ取りにはヨクイニン15から30gを一日量として煎じ、お茶のようにして飲む。さらに十薬を加えて飲むと高血圧に効くと言う。ヨクイニンは排膿、利尿、消炎作用があるので、皮膚のあれにもいいという。 |
| 処方例 | 麻杏?甘湯、ヨクイニン湯、など。 |
| 用法・用量 | 煎剤、散剤、丸剤。1日5〜15グラム。 |
