薬用酒の作り方
- 薬用酒に使う壜は果実酒を漬け込む透明な広口の密封できる壜を利用すると良い。焼酎は1.8リットル を購入し広口壜は果実酒用3リットル位壜が適当である。
- 薬成分の浸出に使う焼酎、ホワイトリカーは35パーセントを基準にしてあるが、女性向きではもっと弱いものでもいいが腐りやすいので注意が必要である。焼酎は無味、無臭、無色で、材料の特性をそこなうことなく利用でき最適である。焼酎にはアルコール度数の異なる三種がある。25度、35度、45度の三種である。アルコール度数の高いものは成分の抽出速度は速い。45度では強すぎるし、35度か25度、冬期間 ならば清酒に漬け込むという方法もある。生薬を材料にする場合乾燥させてあり、水分を含まないので 25度の焼酎が適当だろう。ワイン、ブランデイ、ジンをベースにする方法もある。
- すべての薬用酒には甘味料を加えてあるが、これは酒の味をつけるとともに、コクをよくし、発酵と熟成も助け、悪酔いを防ぐ意味もある。
- 中国産の「老酒」も氷砂糖を加えて飲むことはよく知られている。リキュールもハーブを加えて作ったものであり、薬用酒の一種である。
- 甘味料は蜂蜜、氷砂糖、グラニュー糖、白ザラメのどちらでも、好みに応じて100〜200グラム入れると良い。
- 材料の生薬は下記をご覧ください。
漢方薬・生薬・和漢薬・民間薬の販売 - 一般的には生薬は水洗いせずに使用し、成分が浸出するには一ヶ月以上は必要である。生薬の使用量は材料によつて異なるが通常は100〜200グラムである。半年、一年経っても腐敗することは少ないが、梅雨を越すときは注意したほうが良い。熟成中は直射日光のあたらない涼しい所 (冷暗所)に保存すること。冷蔵庫に入れる必要はない。
- 薬用酒であるが、食前酒としても良く、就寝前に飲むのも良い。1〜2杯(15〜30ml)がよろしい。 1日に2〜3回飲んでも良い。
- 酒に弱い方はロックにするとか、水で割っても良い。漢方薬の匂いが気になる人は飲むときにレモンを 滴下するという方法もある。
漢方薬用酒の種類
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「遠志酒 (おんじしゅ) 」
遠志の刻み百グラム、甘味料 (氷砂糖、蜂蜜、角砂糖) 焼酎一リットルを用意し、一升瓶に入れて冷暗所で三十日位保存する。強精、強壮のほかに肺や気管の熱を除いて痰をきる効果がある。 -
「黄精酒 (おうせいしゅ) 」
黄精百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル 。黄精は刻みを使用する。甘味料も蜂蜜を使うと最高だ、壜に入れ密栓して、二十日位すると熟成する。一日量は酒盃に二杯とする。 複方酒としては黄精百グラム、白朮、地骨皮、天門冬等量で五十グラム配合し、総量を百五十グラムとする。 -
「天門冬酒 (てんもんどうしゅ) 」
天門冬百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル瓶に入れ密栓して、冷暗所に二十日ほど保存する。久しく用いると五臓を潤し、血脈を和し心身の疲労衰弱を除き悪疾を除くとある。天門冬はユリ科のつる性多年草クサスギカズラの塊茎である。抗菌作用やインタフェロン誘起作用が報告されている。 -
「仙霊脾酒 (せんれいひしゅ) 」
よく中国の薬酒でみかける名前である。淫羊藿(いんようかく) 百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルで瓶にいれ二十日以上寝かせる。淫羊藿はイカリソウのことである。精力増強にはもってこいの薬酒である。 -
「地黄酒 (じおうしゅ) 」
乾地黄百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを容器に詰め、冷暗所に二十間ほど貯蔵する。牛膝を加えると効果はさらに高まる。強壮、強精に古代の中国から利用されてきた。他剤を配合する場合は地黄を百グラム、その他は五十グラムとし、総量を百五十とします。 -
「紅花酒 (こうかしゅ) 」
紅花五十グラム、甘味料三百グラム、焼酎一リットル。以上を瓶につめて密栓し冷暗所に一ヶ月貯蔵すると黄紅色の見るからに美しい甘い薬酒ができる。無味無臭で飲みよく血液の浄化作用もあり、体力も増強する産前産後の良薬である。中国でも紅花を酒に入れて用いることは広く一般に行われ「紅藍花酒」としてしられる。この紅藍花酒はペルシャ、アラビア地方から伝来されたとも伝えられる。 -
「牛膝酒 (ごしつしゅ) 」
牛膝は細かく刻んだものを百グラム、甘味料二百グラム焼酎一リットルを容器に入れ、密栓して貯蔵する。約二十日でできあがる。苦味と薬臭がある。「筋骨を盛んにし、しびれを治し、おこりを除くと李時珍は強精薬として推奨している。漢方薬酒にするときは、牛膝50グラム、ほかに人参、黄精、菟し子など五十グラムとし合計百グラムとする。 -
「決明酒 (けつめいしゅ) 」
決明子とはエビスグサの種子である。目を明らかにするというので古来から使われている。肝臓にも良いし、強精の効果も期待できる。決明子百五十グラム、甘味料200グラム、焼酎一リットル以上を瓶につめ、貯蔵一ヶ月後に布で漉して作る。決明子五十、蔓荊子百グラムという内容もある。 -
「五味酒」
五味子百五十グラム、甘味料三百グラム、焼酎一リットルを瓶につめ密栓して三十〜四十日貯蔵すると、酸味のある紅い薬酒ができあがる。食前の食欲促進によく、また安眠のための寝酒にも適する。五味酒は古来強精薬としても高く評価されている。 -
「何首烏酒 (かしゅうしゅ) 」
何首烏を細かく刻んだもの百五十グラム、甘味料二百グラム焼酎一リットル以上を壜につめ、冷暗所に二ヶ月くらいおいて熟成させる。カスをすてて一ヶ月以上保存すると味はさらによくなる。一日量は盃に三〜四杯である。不老長寿回春強精に秘薬として中国では古くから知られている。わが国では江戸時代以来広く用いられています。 -
「肉じゅ蓉 (にくじゅよう) 」
肉じゅ蓉百五十グラム甘味料二百グラム、焼酎一リットルを用意し、肉じゅ蓉はなるべく細かく刻み、壜につめ冷暗所に約一ヶ月貯蔵すれば熟成する。薬臭のただよう甘美な薬酒である。昔からの折り紙つきの媚薬である。 -
「天麻酒 (てんましゅ) 」
天麻の細かく刻んだもの百グラム、甘味料二百グラム焼酎一リットル、以上を壜につめ冷暗所に貯蔵する。強壮、強精の効ばかりでなく鎮静の効も期待できる薬酒である。複方酒として川芎を加えると性的神経衰弱に効果があるといわれる。 -
「沙参酒 (さじんしゅ) 」
沙参百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル。以上をあわせて壜にいれ一ヶ月ほど貯蔵する。強壮、強精の効果は人参にまけない。ほかに解熱、去痰の効果もある。 -
「萎ずい酒 (いずいしゅ) 」
萎ずいを細かく刻んだもの百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを壜に詰め、約一ヶ月すると山吹色のとろりとした、癖のない甘い酒ができる。老若男女誰にもきく強壮、強精、不老長寿の薬酒で、飲みよくて副作用がなく、安心して長く続けられる万能酒である。 -
「仙茅酒 (せんぽうしゅ) 」
仙茅百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル以上を容器につめ、一ヶ月ほど貯蔵する。仙茅は成分が強いので、一度に多量の飲むことは控え一日量を酒盃に一〜二杯とする。これを長期服用すると相当の効果をあげることができる。 -
「玄参酒 (げんじんしゅ) 」
玄参の細かく刻んだもの百グラム、甘味料二百グラム焼酎一リットルにつけて約二〇日か間貯蔵する。苦味があるが舌に心地よい薬酒ができる。体内の諸毒を一掃して、しんから活力を賦活してくれるという。 -
「当帰酒 (とうきしゅ) 」
当帰は細かく刻んだもの百五十グラム、甘味料三百グラム焼酎一リットルを壜につめ冷暗所に貯蔵する。二ヶ月ほど経過すると、当帰特有の香りの高い甘美な酒となる。食事前とか就寝前に服用する。当帰は女性の聖薬といわれるくらいで、強壮、浄血、鎮静に卓効がある。 -
「蛇称酒 (じゃしょうしゅ) 」
蛇称子百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを壜につめ、およそ一ヶ月ほど経過すると特有の香りの薬酒ができる。男女ともに良い精力剤なので、ご夫婦で飲まれたらいかがでしょうか。 -
「竜眼酒 (りゅうがんしゅ) 」
竜眼肉二百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル以上を壜につめ、約一ヶ月たてば薬香の高い甘い美酒ができる。他の強精酒のカクテルも良い。 -
「大棗酒 (たいそうしゅ) 」
大棗の果皮のついた種子を内蔵しているもの三百グラム、果皮は傷をつけ破っておく。甘味料二百グラム、焼酎一リットル以上を広口の瓶につめ、一ヶ月ほど貯蔵する。 -
「旋花酒 (せんかしゅ) 」
旋花百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを壜につめ、約二十日貯蔵する。旋花は花だけでなく、茎葉も生薬として利用する。強精の効果著しく古くから名の聞こえた薬酒である。 -
「楮実酒 (ちょじつしゅ) 」
楮実百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル、以上を壜に詰め一ヶ月貯蔵してから布で漉すと甘い薬酒ができる。古典には楮実を食すること一ヶ年、老年も若返って壮健になる。 -
「酸棗仁 (さんそうにんしゅ) 」
酸棗仁百グラムを細かく刻み、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを壜につめ、冷暗所に一ヶ月ほど貯蔵する。布でこして粕を除くとよい。酸味がほどよく舌を刺激する甘美な酒である。精神の安定、ノイローゼ、滋養強壮に良い。 -
「山茱萸 (さんしゅゆ) 酒」
山茱萸百グラム、甘味料三百グラム、焼酎一リットル、以上を合わせて壜にいれ約一ヶ月ほど貯蔵する。山茱萸は酸味が強いので、口あたりがよく、あきの来ない美味な薬酒ができる。強精剤として愛用されている美酒である。 -
「合歓皮酒 (ごうかんひしゅ) 」
合歓皮を細かく刻んだもの百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを壜につめ、約一ヶ月間貯蔵してから布で漉すと特殊な香りのある美しい薬酒ができる。一日量を酒盃に二〜四杯として食前、就寝前に用いる。 -
「麦門冬酒 (ばくもんどうしゅ) 」
麦門冬酒二百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを壜に入れ、密栓して一ヶ月間貯蔵する。布で漉して麦門冬はすてる。家内中で楽しめる美酒である。食前酒としても適している。 -
「胡芦巴酒 (ころはしゅ) 」
南西アジア原産のマメ科の一年草、コロハの種子を用いる。香料としてフェヌグリークとして知られ、古代エジプトのミツラの香料として利用されていたという。コロハ百五十グラム、甘味料、二百グラム、焼酎一リットルB以上を合わせて一ヶ月貯蔵する。強壮、強精、保健の薬酒である。 -
「丁香酒 (ちょうこうしゅ) 」
丁香六十グラム、甘味料三百グラム、焼酎一リットル。以上を壜につめ二、三ヶ月貯蔵する。布で漉して粕をすてる。暗紅色の芳香の強い薬酒ができる。媚薬、強精薬としても有名である。中国では千年前からも服用されている。 -
「烏薬酒 (うやくしゅ) 」
天台烏薬を細かく刻んだもの百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル。以上を瓶につめて貯蔵し一ヶ月後に布で漉して粕はすてる。強精剤、不老長寿薬として効果が期待できる。 -
「ヨクイニン酒」
ヨクイニン二百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを併せて壜に入れ、密栓して一ヶ月ほど貯蔵する。一家全員で飲める。強壮に、胃弱に効果がある。 -
「キナ酒」
キナ皮五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを壜につめ、約一ヶ月ほど貯蔵すると成分の浸出が完了するから布で漉して粕はすてる、暗紅色をした美しい酒ができる。苦味が強い。もし頭がぼっとして耳が鳴るようだったら、次の日から半量に減じて用いる。 -
「地骨皮酒 (じこっぴしゅ) 」
地骨皮の細かく刻んだもの百グラム、甘味料二百グラム焼酎一リットル、以上を壜につめて一ヶ月ほど貯蔵する。成分の抽出が完了したら布で漉して粕はすてる。少し苦味があるが、快い芳香のある薬酒ができる。 -
「益智酒 (やくちしゅ) 」
益智百グラムを細かく砕いて使う、甘味料二百グラム、焼酎一リットル。以上をあわせて壜につめ冷暗所に貯蔵する。一ヶ月ほどしてから布で漉して粕はすてる。この薬酒は少し苦味と薬臭を帯びているが飲むに苦しいほどではない。近縁種に肉豆く、縮砂 (しゅくしゃ) がある。 -
「杜仲酒 (とちゅうしゅ) 」
杜仲の細かく刻んだもの百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル。以上を壜につめ、およそ一ヶ月貯蔵してから布で漉して粕はすてる。味に少し渋みがあるが、匂いも刺激もないだれもが飲める温和な薬酒である。房事過度による腎虚にも優れた飲み物なので、新婚さんは利用されたらいかがだろうか。 -
「地膚酒 (じふしゅ) 」
地膚子百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル。合わせて壜にいれ密栓して四十〜六十日間貯蔵する。種子の皮がかたいので、早急に成分は浸出しないで、二ヶ月たてば熟生する。 -
「羅摩酒 (らましゅ) 」
羅摩子百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル、以上を壜に詰めて貯蔵する。およそ、二ヶ月ほどで成分が浸出するので、布で漉して粕はすてる。誰にも好まれる美味な美酒である。 -
「黄耆酒 (おうぎしゅ) 」
黄耆百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを併せて壜に入れ貯蔵一ヶ月で成分が浸出してくる。布で漉すと無味、無色、無臭、きわめて飲み良い薬酒ができる。強壮、強精のみでなく、強心、利尿、血圧低下などの作用もある。中年以降には最良の薬酒である。 -
「山薬酒 (さんやくしゅ) 」
山薬百五十グラムを細かく砕いて用いる。甘味料二百グラム、焼酎一リットル。以上を壜につめ冷暗所に貯蔵する。約二十日で浸出する。無色、無臭の温和な薬酒ができる。複方酒としては山薬百、白ジュツ二十、人参三十で作る。 -
「南天酒 (なんてんしゅ) 」
南天葉百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットルを合わせて壜に入れ、およそ一ヶ月貯蔵する。布で漉して粕はすてる、とろりとした酒である。強精に利用するのは実ではなく葉である。春に青い葉を採取し、水洗し、日にあててカサカサに干しあげそれを生薬として使う。 - 「蓮肉酒(れんにく)」 蓮肉百グラムを叩いて砕き甘味料二百グラム、焼酎一リットル 以上を壜につめ、貯蔵一ヶ月で成分は浸出する。 温和で万人向きである。 この他に益智二〇、蓮肉五〇、ぶくりょう二〇、甘草十の 複方酒もよい。
- 「けつ実酒」 けつ実十五グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル けつじつは叩き砕いて用いる。 以上を壜に入れて一ヶ月ほど貯蔵すると、無味、無臭、 無刺激の温和な薬酒ができあがる。強精、滋養強壮に 最適である。
- 「肉豆く(にくずく)酒」 にくずくは皮付きのもの八十グラム、皮を除くと五十グラム となる。これを砕いて使う。甘味料三百グラム、焼酎 一リットル、以上を壜に詰め、一ヶ月貯蔵すると芳香の高い暗黄色の、ピリット刺激の効いた薬酒ができる。 にくずくは強精媚薬として珍重され、かっては黄金と同じ価格だったという。
- 「百部酒(びやくぶしゅ)」 ビャクブ科のタチビャクブ、タマビャクブの塊根である百部 を利用する。アルカロイドが含まれており、細菌への抵抗力を高める。咳、百日咳、肺結核に利用する。 百部(びやくぶ)の根の刻みをやや炒る。これを焼酎に入れて二十日ほど待つ。
- 「蓮肉酒」 蓮肉百グラムを叩いて砕き、甘味料二百グラム、焼酎一 リットル。以上を瓶につめ、貯蔵一ヶ月で成分は浸出する。 この薬酒は口あたりが温和でクセがなく、誰にも向く 甘い味である。複方酒としては益智、ぶくりょう、甘草 を加えると良い。
- 「青相酒」 青相子百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットツ。 以上を壜につめ二ヶ月間貯蔵すると誰の口のも合うとても飲み良い薬酒ができる。一日一〜二杯続けると良い。人参、ぶく苓、地黄、黄精、肉じゅ容を加えると複方酒と して利用できる。
- 「柏実酒(はくじつしゅ)」 柏子仁百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル を壜につめ、貯蔵後一ヶ月で無味無臭の飲み良い薬酒が できあがる。夕食前、就寝前に一〜三杯飲むと良い。 昔からの折り紙つきの強壮、強精薬である。
- 「胡桃酒(ことうしゅ)」 胡桃仁(食用、薬用に使うクルミ)百五十グラムを細かく 砕いて用いる。甘味料二百グラム、焼酎一リットル、以上を 壜につめ、一ヶ月貯蔵してから布で漉し、粕は食べるか 又は酒中に残しておき、酒盃のなかに残しておくのも良い。 強精、強壮の効果は古くから知られている。 複方酒としては杜仲、地黄、大棗を等量にあわせて六十グラム 、胡桃仁九十グラムで作る。
- 「しつ莉酒(しつりしゅ)」 しつ莉子百五十グラム(たたいて潰して使う)、甘味料二百 グラム、焼酎一リットルを壜につめ、密栓して貯蔵する。 一ヶ月でできあがる。少し苦い酒である。 強精と浄血の効果が高い。 複方酒としてはしつ莉子を百、他の生薬を五十とし、総量を 百五十グラムとする。
- 「蘇鉄酒(そてつしゅ)」 蘇鉄の実の皮を除き細かく砕いたもの百グラム、甘味料 二百グラム、焼酎一リットル。以上を壜につめ、一ヶ月 たってから布で漉して粕はすてる。蘇鉄の成分は強い から、一度に量を過ごさないように、二回に分服する方 が良い。甘くて口あたりがよく、不老、回春の効果が ある。複方酒としては、人参、ぶくりょう、地黄、麦門 冬、黄精を各十、蘇鉄実五十で合わせて同じ方法で作る。
- 「木瓜酒(もっかしゅ)」 和木瓜百グラム、甘味料三百グラム、焼酎一リットル。 和木瓜は小さく刻んだものを用いる。以上を壜につめ 一ヶ月貯蔵すると、甘さと酸味がほどよく溶け合って 、とても飲み良い薬酒ができる。複方酒としては、地黄 、天麻、覆盆子、山薬を等量で六十、和木瓜四十、合計 百として作る。
- 「 土通酒(どつうしゅ)」 土通草百五十グラム、小さく刻んで種子も共に使う。 甘味料二百グラム、焼酎一リットル以上を壜に詰め 一ヶ月ほどで副作用のないとろりとした美しい色の 薬酒ができる。古来より有名な強精薬で、江戸時代 には大変人気があったと伝えられている。
- 「連銭酒(れんせんしゅ)」 連銭草は細かくきざんだもの百グラム、甘味料二百グラム、 焼酎一リットル。以上を壜につめたおよそ二十日後に布 で漉して、粕はすてる。甘くてクセがなく、家族全員で 飲める。
- 「竹参酒(ちくじんしゅ)」 竹節人参百グラム(細かく刻んだものを用いる)、甘味料 二百グラム、焼酎一リットル。以上を壜につめ、貯蔵する こと一ヶ月で成分は浸出する。少し苦味は感じるが、飲みよい 薬酒である。人参の代用品として強精、強壮効果は広く 知られている。 複方酒として山薬、黄精、天門冬、五味子などの なかから二、三種選んで用いる。
- 「覆盆酒(ふくぼんしゅ)」 覆盆子百五十グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル 。以上を壜につめ、密栓して一ヶ月貯蔵、ときどき壜の中 を調べてみて、生薬が浮いていたら逆さにして全体に しみるようにしてやる。味はくせのない甘さで、しかも 精力を強化することは古くからしられている。
- 「海松酒(かいしょうしゅ)」 海松子は肉付きのもの二百グラム、甘味料二百グラム、焼酎 一リットル。海松子は堅い皮がついているから、叩いて砕き、そのまま壜に詰めて甘味料と焼酎をいれる。 二ヶ月くらいおいてから布で漉すと、誰にも喜ばれる甘い酒ができる。一日の用量は小酒盃に二〜四杯、三回くらいに分 けて服用する。 赤松や黒松の実は味はよくないが、海松子は味もよいし強精効果も期待できる。長命で数百歳の長寿の仙人は海松子を常食にしたという。搗き砕いて練り、酒にひたして食したという。複方酒としては茯苓、天門冬を入れると良い。
- 「丹参酒(たんじんしゅ) 丹参はシソ科の多年草である、根を用いる。丹参六十グラムを焼酎一リットルに入れ、甘味料百グラムを入れる。 一ヶ月貯蔵するとできあがる。女性は生理の前に適量服用すれば、月経不順や痛経に効き目がある。
- 「枸杞酒(くこしゅ)」 クコの実百グラムを焼酎につけて、密封して一ヶ月以上おく。 毎日適量を飲むと、虚弱を補い、精気を益し、冷風を除去し、めまい、多涙を止め、精神不安、不眠を癒し、血液を補い体を丈夫にする。皮膚に艶をもたらし、美容にも良い。
- 「石斛酒(せきこくしゅ)」 石斛百グラム、甘味料二百グラム、焼酎一リットル。 石斛は細かく刻んで用いる。以上を合わせて壜に詰め 一ヶ月後に布で漉して粕はすてる。 少し苦味のある美酒ができあがる。中国では強精媚薬酒として上層権力階級に愛用されていた。相当効き目のある酒だから少量づつ長く続けたほうが良い。
- 「益母酒(やくもしゅ)」 益母(やくも)全草を細かく刻んだもの百五十グラム、甘味料三百グラム、焼酎(二十五度)一リットルを壜につめ、貯蔵することおよそ二十日で、布で漉して粕はすてる。少し苦味はあるが、香りの良い薬酒ができる。女性専用ともいわれ、強壮、保健、精力増強剤としていかがだろうか。 ドイツ、フランス、アメリカでも女性の聖薬として用いられている。 複方酒として人参、当帰、地黄を配合する方法もある。
- 「屠蘇酒(とそしゅ)」 中国三国時代の名医華陀の処方として伝えている古方をもとに現代では下記の処方で行われている。白朮、桂枝、山椒、防風、桔梗を各二〜三グラム、これに丁香二〜三個を刻んで加え、清酒に一〜二日浸して盃に一〜二杯用いる。芳香の強い美酒ができる。健胃、風邪の予防、強壮の効果が期待できる。
- 「菊花酒」 薬用には甘味のある菊の花が使われる。甘菊はもともと野生であるが、今では人工栽培されている。花は小さく、色鮮やかで、形が整い、香りの良いものがいい。煎じた甘菊汁に麹と米を混ぜて醸成する。又は甘菊、当帰、クコ、地黄を混ぜて百日置く。菊花酒を常用すれば視力強化や高血圧に良い。
- 「茯苓酒(ぶくりょうしゅ)」 茯苓はマツの根に寄生した菌核である。マツホドといっている。この刻み、百グラムを焼酎に浸しておく。甘味料二百グラムを入れ、数日待てば飲めるようになる。精神不安の鎮静に、利尿の効果もある。毎日飲めば、めまいを治し、腰や膝の痛みにも良い。
- 「女貞子酒(じょていししゅ) 」 女貞子にはオレアノール酸などが含まれ、肝・腎臓などを補い、腰や膝を丈夫にする効果がある。焼酎に一ヶ月つけて飲むとよい。少しお燗して飲んでもよい。主として風湿を治す効果があり、膝や腰の補益に効果がある。
- 「菖蒲酒(しょうぶしゅ)」 石菖蒲(サトイモ科のセキショウ)を煎じ、その薬汁を酒の中に入れる。毎日飲めば風邪のひきやすいひとに良い。又、長期間服用すれば、目にも良いし、耳の症状にも効くといわれる。
- 「牛膝酒(ごしつしゅ)」 イノコヅチの根はおけつを治すのに効果がある。牛膝の刻みに焼酎をふりかけ、混ぜ合わせ三十分ほど蒸す。それを袋に入れて冷まし、次にこれを焼酎に漬けて密封し、半月ほど置く。 毎日服用すれば、筋骨が丈夫になる。口のなかにできものや口内炎になりやすい人はこれを口に含んで転がすと良い。
- 「桑白皮酒」 桑白皮酒は桑の根皮の乾燥したものである。桑白皮三百 グラム、氷砂糖200グラム、ホワイトリカー、一リットルに 漬け込む。桑白皮は二重ガーゼ袋に入れ、口を糸で縛る。冷暗所で三ヶ月貯蔵後、袋を取り出す。一日の服用量は一〜二杯を限度とする。
- 「アマドコロ酒(いずい酒) 」 アマドコロの乾燥根茎百グラム、焼酎七百二十ml、 氷砂糖 百六十グラムを用意する。アマドコロの刻みを広口の壜に入れて冷暗所で六ヶ月保存後、ふきんで漉す。一日二十〜三十mlを限度として三回に分けて飲む。老化防止、強精、美肌に良い。
- 「アロエ酒」 アロエは水でよく洗って水けを取り、トゲをとって六〜七 センチに切る。材料のアロエ三百グラムを壜に入れ、焼酎一リットル、氷砂糖百グラムを入れ、約二ヶ月保存する。就寝前に飲むと効果的である。一日量は杯で二杯程度である。
- 「淫羊かく酒(いんようかくしゅ)」 淫羊かくの原植物名はイカリソウである。これは刻んだものが売られているのでこれを五十グラム、焼酎一、八リットル 氷砂糖五十グラムで漬け込む。一〜四ヶ月保存する。一回量は杯で一杯。一日二回を限度とする。性への思いは強くなるが勃起するかは別問題である。最近では性欲もないという男性も増えてきたので性欲の増進には最適なので試してみられてはいかがだろうか。この薬酒は有名な「仙霊脾酒」である。このイカリソウを食べたオスの羊が三十頭のメスの羊を次から次へと犯したということでよく知られている。
- 「ういきょう酒」 ウイキョウの乾燥果実、生薬名茴香百グラム、焼酎一.八リットル、甘味料二百グラム。材料を壜に入れ、冷暗所で四〜五ヶ月保存後、ふきんで漉す。その後二ヶ月ほど保存する。一回量は杯で二杯。一日二回が限度である。
- 「ウコギ酒」 ウコギは生薬名が五加皮(ごかひ)である。五加皮八十グラム、焼酎一リットル、氷砂糖二百グラムを使用する。冷暗所で二、三ヶ月保存後、ふきんでこす。一回量は杯で一〜二杯を寝る前に飲む。長く飲みつづければ腰痛、神経痛、強精、強壮、健胃に良い。
- 「カリン酒」 カリンの果実をよく水洗いし、ふきんで水気をとる。厚さ 一センチほどの輪切りにし、種子も瓶に入れて冷暗所 で最低三ヶ月、普通は一年保存後、ふきんでこす。 一回量は杯で一から二.黄熟したカリンの果実一キロ、 焼酎一.八リットル、氷砂糖二百グラムで漬け込む。 咳止め、疲労回復に良い。
- 「甘草酒(かんぞうしゅ)」 甘草刻み百グラム、焼酎一.八リットルを用意する。材料を 瓶に入れて冷暗所で二〜三ヶ月保存後、ふきんで漉す。 一回量は杯で一杯、一日三〜四回飲む。 甘草自体が甘いので甘みは加えない。 せき、のどの痛み、腹痛、腰痛にも良い。
- 「菊酒(きくしゅ)」 乾燥した菊花百グラム、焼酎1,8リットル、蜂蜜カップ 一杯を用意する。これらを瓶に入れ、冷暗所で二〜三ヶ月後 保存後、ふきんで漉して菊花を除く。一日二杯を限度に 飲もう。苦味があるので、水で割っても良い。 頭痛、頭重、疲労回復、高血圧に良い。
- 「キハダ酒」 乾燥した刻みの黄柏五十グラム、焼酎八百ミリ、氷砂糖百五十 グラムの材料を瓶に入れ、冷暗所で二、三ヶ月保存後、ふきん でこす。一回量は杯で一杯を水三十ミリで割る。一日三回が 限度である。強壮、健胃、整腸、食欲不振に良い。
- 「枸杞酒(くこしゅ)」 クコの実(枸杞子)二百グラム、焼酎一.八リットル、氷砂糖 百グラムを用意する。これらを瓶に入れ冷暗所で二〜三ヶ月 保存後、ふきんで漉す。一回量は杯で一杯。一日二〜三回。 低血圧には寝る前に杯で一〜二杯飲むと良い。 血圧安定、疲労回復、補温、解熱に良い。
- 「桑の根酒(桑白皮酒)」 桑の根皮の乾燥したもの(桑白皮三百グラム)、焼酎一リットル 氷砂糖二百グラム。桑白皮は二重のガーゼの袋に入れ、口を 糸でしばる。材料を瓶に入れて冷暗所で一〜二ヶ月保存する。 一日量は一〜二杯飲む。 低血圧、動脈硬化の予防、疲労回復にも良い。
- 「ケンポナシ酒」 果実をよく水洗いし、ふきんで水気を取る。材料を瓶に入れて 冷暗所で三〜四ヶ月保存後、果実を取り出す。一日一回、三十 〜四十ミリを寝る前に飲む。 適量の果実、焼酎は果実の三倍量。疲労回復、食欲増進に 良い。
- 「コケモモ酒」 コケモモは本州、四国、九州の高山地帯に分布するツツジ 科の常緑小低木である。コケモモの葉を用い、越橘葉という。 コケモモの果実は熟すると酸っぱくなり、ジャムや果実酒の原料となる。口内炎や腸内異常発酵に用いられる。葉には配糖体のアルブチン、フラボノイドのイソクエルシトリンが含まれ、利尿、防腐作用があるので膀胱炎や腎盂炎などの尿路感染症に用いられた。ウワウルシの代用品だったらしい。
- 「五味子酒(ごみししゅ)」 五味子は本州の中部以北、北海道、朝鮮半島、中国大陸などに分布するマツブサ科のつる性落葉低木、チョウセンゴミシの果実を用いる。秋には小さな深紅色をしたブドウ状の果実をつける。植物は日本古来種である。果実にはリンゴ酸、クエン酸などの有機酸、セスキテルペン類などが含まれる。肝機能改善効果が注目され、急性肝炎にもいいというので研究が進められている。チョウセンゴミシの果実三百グラム、焼酎一、八リットル、氷砂糖三百グラム。材料を瓶に入れ冷暗所で二ヶ月保存後、ふきんで漉す。一日に四十ミリを限度に飲む。疲労回復、強壮、咳止めにいい。
- 「木天りょう酒」 昔からネコにマタタビ、女郎に小判で知られるマタタビの薬酒 である。マタタビは漢方薬名を「木天蓼(もくてんりょう)」といっている。日本各地、朝鮮半島、中国東北部に分布するマタタビ科の落葉つる性植物、マタタビの果実の虫こぶを用いる。マタタビの花の子房にマタタビアブラムシが産卵し、そのため実は異常繁殖し凹凸不整の虫こぶとなった。マタタビの葉や茎、果実に含まれるマタタビラクトンはネコ科の動物を興奮させ陶酔状態にし、唾液分泌を促進することは広く知られている。ネコにマタタビである。その他成分のアクチニジンには性腺刺激作用も報告されている。マタタビ酒は木天蓼(もくてんりょう) 二百グラム、甘味料百グラム、焼酎一、八リットルを用意する。広口瓶に入れ、三ヶ月間冷暗所にて保存する。冷え性 、神経痛などに良いし、精力効果も期待できそうである。
- 「キンカン酒」 キンカンは中国原産のミカン科の常緑低木である。栽培されている品種はナガキンカンである。果皮には芳香があり、甘味があって皮ごと生食できる。果皮にはビタミンCのほか、ガラクタン、ペントザン、フラボノイド配糖体が含まれている。キンカン五百グラム、焼酎一.八リットル、甘味料二百グラムを用意する。キンカンは水洗い後、ふきんで水気をとり、そのまま用いる。材料を冷暗所に入れ一〜二ヶ月保存する。たん、せき、胃腸に良い。
- 「キンモクセイ酒」 初秋に採取した、金木犀の花を陰干しして乾燥させる。キン モクセイの乾燥葉三十グラム、焼酎一.八リットル、氷砂糖 百グラムを用意する。材料を果実酒用の瓶に入れ、冷暗所 で三〜四日保存後、ふきんでこして花をとる。寝る前に 十ミリリットル位を飲む。香りの良い薬酒ができあがる。 レモンを加えるとさらに香りがよくなる。不眠症、低血圧、 胃の不調に良い。
- 「タンポポ酒」 北半球の温帯から寒帯にかけて広く分布するキク科の多年草である。タンポポ属の全草を用い生薬とする、漢方薬名を蒲公英(ほこうえい)といっている。タンポポ(蒲公英)の葉や乾燥根を二百グラム用意する。焼酎一、八リットル、氷砂糖二百グラムを用意する。材料を広口の瓶に入れて冷暗所で二〜三ヶ月保存する。一回量は盃で一〜二杯。一日二回ほど飲む。解熱、たん、せき、ぜんそく、健胃、整腸、利尿に良い。タンポポの生の葉を少し加えても良い。
- 「赤唐辛子酒」 赤く熟した唐辛子十五本、レモン四個、焼酎一.八リットルを用意する。唐辛子は水で洗い、レモンは皮をむき四つきりにする。焼酎を注ぎ、冷暗所に保存する。二週間後に唐辛子 、二ヶ月後にレモンを取り出す。寝る前に盃で一〜二杯飲む。飲みにくい場合はハチミツを加えると良い。冷え性、食欲増進に良い.
- 「アカマツ酒」 アカマツの葉を水洗い後、水切りして細かく刻む。新鮮な赤松葉三百六十グラム、焼酎一.八リットル、氷砂糖百グラム。材料を瓶に入れ冷暗所で三ヶ月保存後、ふきんで漉して葉を除く。新鮮な赤松葉三百六十グラム、焼酎一.八リットル、氷砂糖百グラム。一回量は盃で一杯。一日三回を限度に飲む。冷え症、不眠症、神経痛、高血圧に良い。別名を松葉酒ともいう。
- 「いちじく酒」 熟して果肉のしまったいちじく八百グラム、焼酎一、八リットル、氷砂糖二百グラム。いちじくは洗ってから果柄を切捨て、ふきんでふき縦二つに切る。材料を瓶に入れ冷暗所で一ヶ月保存後、果実を取り出し、ふきんで漉す。一回量は盃で一杯。疲労回復、整腸、便秘、貧血、食欲増進に良い。
- 「梅酒」 青梅はよく洗い、ザルに上げてふきんで水気をとる。材料を瓶に入れて冷暗所で最低三ヶ月、普通は一年は保存する。一回量は盃で一〜二杯。かたい青梅一kg、焼酎一,八リットル、氷砂糖四百グラム。
- 「さくらんぼ酒」 さくらんぼは軸つきのまま水洗いし、ふきんで水気を取る。材料を瓶に入れて冷暗所で三〜六ケ月間保存後、果実を取り出し、ふきんで漉す。一日二十〜三十ml飲む。五月下旬ころのさくらんぼ一キロ、焼酎一、八リットル甘味料百五十グラム。疲労回復や虚弱体質の改善に良い。
- 「生姜酒(しょうがしゅ)」 ひねしょうがはよく水洗いし、水切り後薄く切る。材料を瓶に入れて冷暗所で六ケ月保存後、ふきんで漉す。一日一回寝る前に二十〜三十ミリ飲む。風邪の初期には熱湯で割って飲むと良い。冷え性や低血圧、肩こりにも良い。
- 「すもも酒」 完熟直前のすももを一キログラム、焼酎一.八リットル、氷砂糖百五十グラムを用意する。すももは傷めぬよう水洗いし、ふきんで水気をとる。材料を瓶に入れ冷暗所で六ケ月保存後、果実を除きふきんで漉す。一回量二十〜三十ミリリットル。 一日三回が限度である。疲労回復、解熱、食欲増進に良い。
- 「セロリ酒」 セロリ二百グラム、焼酎一.八リットル、氷砂糖百グラムを用意する。セロリは水洗いして水気を取り、一〜二センチに刻む。材料を瓶に入れて一〜二ケ月保存後、ふきんで漉す。一回量は二十〜三十ミリリットル。一日三回が限度である。疲労回復、食欲不振、不眠に良い。寝つきの悪いときなど、寝る前に三十ミリリットルほど飲むと良い。
- 「豆淋酒」 黒大豆三百六十グラム、焼酎一リットルを用意する。 黒大豆はフライパン十分に乾煎りしてから皮を取る。 材料を瓶に入れて冷暗所で二〜三ケ月保存後、ふきんで漉す。 一日量は盃で一〜二杯が限度である。 朝と晩に飲む。冷え性、低血圧に良い。
- 「ナツメ酒」 棗(なつめ)の乾燥果実百五十グラム、焼酎一.八リットル 氷砂糖五十グラムを用意する。 大棗はていねいにふきんで拭き、四つきり。材料を瓶に入れて 冷暗所で三ケ月保存後、ふきんで漉す。寝る前に杯で一杯飲む。 低血圧、不眠症、冷え性、滋養強壮に良い。
- 「にんにく酒」 にんにく三百グラム、焼酎一リットル、氷砂糖二百五十グラム を用意する。にんにくは外皮をむき、一粒づつバラにして半分 に切る。材料を瓶に入れて冷暗所で三ケ月〜一年ほど保存する。 寝る前に盃で一〜二杯飲む。
- 「パセリ酒」 パセリの若葉百五十グラム、焼酎一リットル、氷砂糖百グラム を用意する。パセリは水洗いし、ザルに上げて水気をきり手で ちいさくちぎる。材料を瓶に入れて二ケ月保存後、ふきんで 漉す。一回量は盃で一〜二杯である。 貧血、食中毒の予防に。
- 「ハマナス酒」 九月頃の赤熟したハマナスの果実一キロ、焼酎一.八リットル 、氷砂糖百グラムを用意する。 ハマナスの果実は水洗いしそのまま用いる。材料を瓶に入れ 冷暗所で二〜三ケ月の保存後、果実は取り出す。 一日量は三十ミリを限度として寝る前に飲む。 疲労回復、美肌、食欲増進に良い。香り高い薬酒になる。
- 「フユイチゴ酒」 赤熟したフユイチゴの実一キログラム、焼酎一.八リットル 氷砂糖二百グラムを用意する。果実は流水で水洗いし、傷め ないようにへたをとり、水けを取る。材料を瓶に入れて 冷暗所で三〜四ケ月保存後、果実を取り出す。寝る前に 三十〜四十ミリリットル飲む。 ビタミンCが豊富で、疲労回復、美肌、食欲増進に良い。
- 「ヤマモモ酒」 秋の暗紅紫色に熟したヤマモモの果実を適量、焼酎は三倍量 を用意する。果実は傷めないようにていねいに水洗い後、 ふきんで水けをとる。材料を瓶に入れて冷暗所で二〜三ケ月 保存後、果実を取り出す。適量を寝る前に飲む。 疲労回復、鎮静、下痢、食欲増進に最適である。
- 「ゆず酒」 ゆず六個、生薬の地黄、当帰、芍薬を各二十グラム用意する。 焼酎一.八リットル。氷砂糖二百グラム。 当帰と芍薬は刻みを利用する。ゆずは水洗い後、二〜三 センチに輪きりする。材料を瓶に入れて冷暗所で三ケ月 保存後、ふきんで漉す。一日量は盃で一〜二杯飲む。 女性の貧血、低血圧、美肌、疲労回復に良い。
- 「舒筋酒(じょきんしゅ)」 原料は生薬の当帰、せんきゅう、地黄、芍薬各二十グラム。 焼酎一.八リットル、氷砂糖百グラムである。 材料を瓶に入れ、冷暗所で三〜四ケ月保存後、ふきんで漉す。 一回量は盃で一〜二杯をそのまま又は水で割って一日二回 飲む。月経痛、月経不順など婦人病全般によい。
- 「キンモクセイ酒」 キンモクセイは木の下にビニールなどを敷いて集めた花を 陰乾して乾燥させる。 初秋に採取したキンモクセイの乾燥葉三十グラム。焼酎 一.八リットル、氷砂糖二百グラムを用意する。 この材料を瓶に入れ冷暗所で三〜四日保存する。ふきん でこして、寝る前に十ミリリットル飲む。 不眠症、低血圧、胃に良い。
- 「クサボケ酒」 五〜六月頃採取したクサボケの実六百グラム、焼酎一.八 リットル、ハチミツ少量を用意する。 果実は水洗いしてふきんで水気をとり、半分に切る。 材料を瓶に入れて冷暗所で一年保存後、果実を取り除く。 少量のハチミツを加え」、寝る前に盃で二杯を限度に飲む。 夏バテ、疲労回復、整腸、腹痛によい。
- 「サフラン酒」 サフラン五グラム、焼酎一.八リットル、氷砂糖百グラムを 用意する。材料を瓶に入れ、冷暗所で二〜三ケ月保存後 ふきんで漉す。一回量は盃で一〜二杯。一日二回飲む。 女性特有のいらいら、頭痛、月経不順に良い。 生薬サフランはサフランの雌しべを乾燥させたものである。
- 「山査子酒(さんざししゅ)」 熟した山査子の果実五百グラム、焼酎一.八リットル、氷 砂糖二百グラムを用意する。果実の種子を除き、果肉だけ を使う。材料を瓶に入れて冷暗所で一〜二ケ月保存後、 ふきんで漉す。一日量は盃で一〜二杯。 健胃、整腸に効果がある。
- 「しそ酒」 梅は梅酒にして飲むことはよく知られている。しそ酒を作る には夏場の青じその半乾燥葉と実二百グラム、焼酎一.八 リットル、氷砂糖二百グラムを用意する。葉と実を二〜三 日陰乾しにして半乾燥させる。材料を瓶に入れて冷暗所で 三ケ月保存する。ふきんで漉して使う。寝る前に二〜三杯 飲む。貧血、精神不安、健胃、整腸に良い。青じそでも 赤じそでもいい。
- 「芍薬(しゃくやく)酒」 芍薬の刻み八十グラム、焼酎九百ml、氷砂糖二百グラムを 用意する。材料を瓶に入れ冷暗所で三ケ月保存後、ふきんで 漉す。一回量は二十ml、一日二回飲む。下痢、鎮痛、月経痛に良い 甘草酒と半量づつ飲むと「足のつり」「からすがい」に著効 がある。